

日本の不動産の未来
Photo Hiroaki Yoda
Text Koko Shinoda
Text Koko Shinoda
日本の不動産変遷
今世紀に入って、聞かれるようになった「不動産金融工学」。これを知るには、まず、日本の不動産事情の変遷
を背景に、「不動産の証券化」について理解しないと難しい。日本の不動産市場は、1990年代初めのバブル経済
崩壊まで、狭い日本の土地は上がり続けるのだ、という「土地神話」に支えられていた。そうした風潮の中で、不
動産の価値は、いわゆる目利きといわれる融資担当者や鑑定士が、経験と勘とその場の状況で判断してきた。そ
のため、不動産の流動性や透明性に欠けるリスクの高さが見逃されてきた。
それがバブルの崩壊で、一挙に露見する。そして、不動産はリスクが大きく、投資価値も資産価値も低い、とい う「不動産不信」が日本に広がった。
それがバブルの崩壊で、一挙に露見する。そして、不動産はリスクが大きく、投資価値も資産価値も低い、とい う「不動産不信」が日本に広がった。