
樹齢約50年の五葉松。屏風を立て、青氈を敷いた上に卓を置き、盆栽を乗せる。こうすることで木の格が上がり、客人をもてなすに
じゅうぶんな盆栽となる。
一木に悠久の時を感じ、恐縮する
盆栽の何が、人の心を惹きつけるのかーー。第一のみどころは、「時間」である。樹木は、その質が風土に合
っていれば非常に命が長く、大木ともなれば樹齢何千年というものもある。対して人間は、最近こそ100歳ま
で生きられるようになったが、盆栽が日本に伝わった頃の寿命は50歳前後。それゆえ、何十年何百年と生き
続ける樹木に恐縮し、畏敬の念を抱いたのである。
したがって、盆栽においても「どれだけ生きてきたか」が尊ばれる。江戸・寛永年間創業の盆栽園「清香園」 の園主、山田登美男氏によれば「盆栽は鉢に入ってからの時間、つまり人間と長く過ごした木ほどいい」とか。
年月は、たしかに木に刻まれる。たとえば五葉松の幹の肌。樹齢数十年の、まだ「若い」五葉松の肌は白っぽ く、つるつるしている。ところが樹齢500年の幹肌は黒っぽく、ウロコが立っているかのように荒れている。
したがって、盆栽においても「どれだけ生きてきたか」が尊ばれる。江戸・寛永年間創業の盆栽園「清香園」 の園主、山田登美男氏によれば「盆栽は鉢に入ってからの時間、つまり人間と長く過ごした木ほどいい」とか。
年月は、たしかに木に刻まれる。たとえば五葉松の幹の肌。樹齢数十年の、まだ「若い」五葉松の肌は白っぽ く、つるつるしている。ところが樹齢500年の幹肌は黒っぽく、ウロコが立っているかのように荒れている。