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(左)複数の図形が一定の規則性を持って描かれた装飾の一例。手作りということに驚 かされる。(右)マザーリシャリフのブルーモスクに装飾された、青と黄のタイルが織り なす幾何学模様。
装飾は、無限を表すものであれ
究極の美とは?答えはさまざまだが、そのひとつに「無限」というものがあるだろう。人の命は限りあるもの。過 去にも多くの皇帝や王が無限の命を求め、挑戦し続けてきたが、いまなお永遠の命にたどり着けた人物などい ない。イスラーム世界では有限と無限の境を、現実世界と死後の世界の区切りと考え、無限に続く幾何学模様を 信仰の証としてきた。
これらの幾何学パターンの元となった図形はいくつかあり、基本は正方形とされている。しかしながら、イスラ ーム建築の発祥から約1,300年の時を経ることで、3:4:5の三角形や、正五角形、正六角形など、さまざまなパタ ーンが生まれてきたという。これらの完全に安定した図形群によって描かれたパターンを建築に落とし込む際 には、タイルが多用された。丁寧に職人が切り抜いた色付きのタイルを、ひとつひとつはめ込んで漆喰で固めて いったのだという。無限を表現するために途方もない時間と労力を費やしてきたのだ。
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