
橋本康子 医療法人社団 和風会 千里リハビリテーション病院理事長、医師。
これまでの病院、理想の病院
リゾートホテルのような上質な空間で、心豊かに回復を目指す――。2007年10月、日本で初めての「リハビリテーション・リゾート」をコンセプトに開院した千里リハビリテーション病院。家具はもちろん、照明やタオルなどのアメニティにまでこだわった快適な部屋で過ごし、ときにはウッドデッキでくつろいだり、庭園を散策したり……。アロマトリートメントの設備まである院内は、“病院”の常識を遥かに超えている。なぜこのような病院を開院したのか。橋本康子理事長はこう語る。「高齢化が進み、リハビリの重要性は年々高まっています。しかし、脳卒中などの思いがけない病に倒れ、大きな不安に襲われた患者さんにとって、従来の病院は理想的な環境だといえるでしょうか。心身の傷を癒し、生きる気力を取り戻すには、真に居心地のいい空間と真心のある対応で『自分は大切に扱われる価値のある人間なんだ』と思い出すことが、実は一番大切なのです」。