
エッフェル塔から眺めるシャイヨー宮の景観。
一大文化エリアとしてのシャイヨー宮
国立シャイヨー劇場は、セーヌ河を挟んでエッフェル塔と対峙する広大なシャイヨー宮に位置する。現在の
シャイヨー宮は、1937年のパリ万博時に新築されたもので、エッフェル塔と共に近代パリを代表する観光ス
ポット。第二次世界大戦の象徴的なイメージとして、パリ占拠後のヒトラーがエッフェル塔を背景に撮った
記念写真が残る一方、1948年に世界人権宣言を採択した国際連合総会が行われたのもこの地であった。トロ
カデロ広場を中心に、左右対称に広がるシャイヨー宮の両翼は現在、文化施設として利用されている。西翼
部には国立海洋博物館と国立人類博物館があり、東翼棟には国立シャイヨー劇場と、国立フランス文化財博
物館から2007年にリニューアル・オープンした建築・遺産センターが鎮座する。その規模といい歴史といい、
いずれも文化国フランスが世界に誇る国立文化機関であり、シャイヨー宮全体が一つの大きな文化エリア
となっている。