
オートクチュール2008年春夏コレクション、リハーサル風景。
(c)François Halard/Rizzoli International Publications
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女性美の使者、ヴァレン
ティノの半世紀 vol.1
ティノの半世紀 vol.1
Text Yuka Toyoshima
『Valentino, themes et variations』展
2008年1月のコレクションにて、オートクチュールに最後の別れを告げたヴァレンティノ・ガラヴァーニ。9月21日まで装飾芸術美術館( パリ)にて開催中の『Valentino, themes et variations』展で、パリがこのイタリア人デザイナーへオマージュを捧げている。彼の半世紀に及ぶ軌跡のパリ初の回顧展である。彼は自身をモードの《革新者》としては位置づけておらず、むしろ常に女性美の頌歌を奏で続ける《エレガンスの使者》として、長きに渡りオートクチュールに君臨した。流れるような構築が、女性的な官能性を喚起するシルエット。簡潔であると同時に精巧なグラフィカルなラインに基づく明確な形。豪奢な布、洗練された刺繍に飾られた色の階層を内包する、そのスタイル。ロマンティックであり、現代的であり、クラッシックでもある。それがいわゆる『Valentino』作品だ。
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