
(左)和歌山県・藪本畑下農園から届いた、8割減農薬栽培の桃。果実は引きしまり、すきっと爽快な甘さ。「わずか数個ですが、今年やっと、減農薬で1本の木から収穫できた」と、自然栽培に挑戦中の藪本氏。(中)自家製パンは群馬県田村農園の自然栽培全粒粉小麦を使う。(右)自然栽培農家、熊本県・元田農園の元田祐次氏。
野菜の個性を受けとめる皿
蓮見シェフは今、3人の自然栽培農家から直接野菜を仕入れている。「いずれも、自然栽培に挑戦し始めたばかりの人たち。もちろん他にベテランの自然栽培農家もいらっしゃいますが、私はあえて、発展途上の生産者たちと付き合っていきたくて」と蓮見シェフ。そこには、リスクを背負い、試行錯誤しながら自然栽培に挑む生産者たちと、共に歩んでいきたい、自然栽培が世に広まるまでの過程を見届けたい、そんなシェフの想いがある。
むろん、ベテランと比べたら、蓮見シェフが付き合う生産者の野菜は、天候などによってバラつきがあるのは否めない。しかし、蓮見シェフは、それらの野菜を受けて立つ自信はある。甘みが少ないトマトはドライトマトにすればOK、不恰好なのは、切り方でいかようにもできる。味がやや薄い野菜も、他の素材との組み合わせ次第で、かえって引き立てられる……という具合に。こうして生まれたシェフの料理は、野菜畑がそのまま皿にのせたようなみずみずしさを放っている。
むろん、ベテランと比べたら、蓮見シェフが付き合う生産者の野菜は、天候などによってバラつきがあるのは否めない。しかし、蓮見シェフは、それらの野菜を受けて立つ自信はある。甘みが少ないトマトはドライトマトにすればOK、不恰好なのは、切り方でいかようにもできる。味がやや薄い野菜も、他の素材との組み合わせ次第で、かえって引き立てられる……という具合に。こうして生まれたシェフの料理は、野菜畑がそのまま皿にのせたようなみずみずしさを放っている。