


(上)『私の馬、ナミビア2005年/ポラロイド』(左)
『ロバートの星/ポラロイド』copyright Patti
Smith/copyright Fondation Cartier pour
l'art contemporain(右)パティが29歳、1975年
に発表したデビュー作『ホーセス』(BMG JAPAN)
はロックの名盤として今日まで高い評価を受
ける。
展覧会タイトル『Land 250』(旧式のポラロイド・カメラ
機種名)が象徴するように、一連のポラロイド作品は、
寡黙に謙虚に、だがメインテーマとして展示空間全体
に散りばめられている。それは数多くのアーティスト
との出会いと交流が、光として影として彼女の生涯に
寄り添ってきたことを物語る。なかでもパンクの女王
パティ・スミスとなる以前に運命的に出会ったランボ
ーとメイプルソープ、2人のキーパーソンには彼女の
特別な思いが感じとれる。パティは1946年、シカゴの労
働者階級に生まれ、学校卒業前に父親知らずの子を出
産しドロップ・アウト。未来も見えない67年に、あても
なくニューヨークへと一人旅立つ。そこで若きメイプ
ルソープと出会い、今では伝説的なチェルシー・ホテ
ルに共に移り住む。75年、彼によるジャケット写真でも
話題となったデビュー作でありロックの名盤として名
を馳せる『ホーセス』を発表、以後、《パティ・スミス》伝
説が生まれていく。