

地方都市ほど威圧的な外観を持つ駅舎。ほとんどの駅前に、広場とモニュメントが設置されている。
偶然か必然か。日本で東京駅が昔ながらの外観を守るように、北京駅も旧来の状態を保っている。
駅前再開発の構造と思考回路
日本の地方都市で大型整備計画が立ち上がれば、まずどこが整備されるか。答えは駅と駅前である。中国の
場合も同様に、たいていの公共工事は駅から手を付ける。その社会的構造は日本と同様で、政府が重視して
いる街や大物政治家を生み出した都市から工事が開始されたのだ。とはいえ、駅の改修工事で大幅に変わ
ったのは、内外装とテナントだけである。中国はとにかく人口が多い。各省の中心地の省都では、毎日考えら
れないほど多くの旅客を送り出し、受け入れている。そのため、入口と出口を完全に分け、列車に乗る旅客と
降りる旅客が交わらないような配慮が以前から必要で、この広大なスペースを必要とする動線は触ること
ができなかったのだ。加えて、乗客の多さから100を越す切符窓口やオフィススペース、すぐに混雑する広々
とした待ち合い室も削ることができず、せっかくの巨大な建造物のキャパシティーはすぐに満杯になって
しまったのだ。

降車した旅客は地下道を通って外に出る。改修工事によ
って明るく清潔なイメージになった。