
下村浩司 22歳で渡欧し、「ラ・コート・ドール」「ギイ・サボワ」「ジャック・シボワ」「グアルティエロ・マルケージ」などフランス、イタリアの3つ星レストランで修業。帰国後、西麻布「ザ・ジョージアンクラブ」を経て、乃木坂「レストランFEU」の人気シェフに。2007年、六本木に「エディション・コウジ シモムラ」をオープン。
食材探しの天才
下村シェフは、北海道の美深町にある農場で育てられたという子羊を見せ、こう話してくれた。「いろいろなブランドを片っ端から試して、一番美味しかったのが、ここの子羊。とびぬけて風味がいいんです。でも実は、全国の料理人たちにはまだ知られていない生産者なんですよ」。子羊だけではない、野生の鴨や鳩もしかり。下村シェフは、隠された宝のような食材を探し出す才に長けている。「それは私が、たとえば、有名だから、高級品だから、他のシェフが使っているから……そういった色眼鏡で食材を見ないからです。世の中には、この子羊のように、私たち料理人が知らないだけで本当に素晴らしいものもあるし、逆に、有名でも、内容がともなわないものもある。だから私は、他人の評価や情報に頼るのではなく、必ず自分自身で選ぶようにしているだけなのです」。
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